Book

『閉じこもるインターネット』

閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義作者: イーライ・パリサー,Eli Pariser,井口耕二出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/02/23メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 103回この商品を含むブログ (48件) を見る僕がフェイスブッ…

イケダハヤトさん『フェイスブック』への応答とソーシャルメディア雑感

イケダハヤトさんから献本いただいた『フェイスブック』についてtwitterでコメントしたら、彼がブログに取り上げてくれていた。この際なので、まとまりないが、私が最近ソーシャルメディアについて考えていることを応答がてら書いてみたい。 まず、イケダさ…

フリー <無料>からお金を生み出す新戦略

2000年代初頭に、よく「風が吹けば桶屋が儲かる」的、あるいは「損して得取れ」的なビジネスモデルを提案していた。残念ながらその提案が受け容れられたことはほとんどなかったが、もしこの本が当時に存在していれば提案の説得力は増し、提案されている側が…

デジタルネイティブと私

「何学者ですか?」と聞かれると答えに窮する。まあお茶を濁した感じで「経営学者」というしかない。だが、私は「情報の価値とその収益化」というのが長きにわたる研究テーマであって、そのなかでネットサービスの流行廃りやそこでのカルチャーも気になるし…

ニコニコ動画の生成力

現在、私は「ある種の」タグと経済価値の関係についての分析と記述を進めている。その中で、どうやらこれは読まねばならんと行き当たったのが、濱野智史さんの「ニコニコ動画の生成力」という論考である(思想地図vol.2 所収)。NHKブックス別巻 思想地図 vo…

アーキテクチャの生態系

個別事例に対する鋭利な分析と、冒頭で広げたプランを見事に引き取った最終章の存在から素晴らしい作品になっていると思います。お勧めの1冊。余談だが、読みかけだった「プラネット・グーグル」を追い抜かして読了。アーキテクチャの生態系作者: 濱野智史…

ウィキペディアと関連書籍

「集合知を語る上では良い事例だと思うので」ということでウィキペディアをテーマに研究している学生がいる。きっちりとデータベースを使って文献サーチをするような学生なのだが、直接にウィキペディアを扱った日本語の本がないということで苦労していた。…

InterCommunicationがなくなる

一定数の読者がきっといるはずだと思っていましたし、急なので驚きが大きいです。濱野智史さんのブログで知りました。1つ前の「音楽/メディア」特集号は買いまして、部分的に読んだのですが、気がつかなかった。ICCも関係のある話なのだろうか。雑誌だけの…

インターネットはいかに知の秩序を変えるか?

原題は“Everything is Miscellaneous”。「すべてのものが持つ種々雑多さ」という感じか。邦題の「インターネットはいかに知の秩序を変えるか?」はちょっと大仰だ。ちなみに副題は“The Power of the New Digital Disorder”。邦題はそのまま「デジタルの無秩…

キーボード配列 QWERTYの謎

キーボード配列QWERTYの謎作者: 安岡孝一,安岡素子出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2008/03/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 430回この商品を含むブログ (52件) を見る タイプライターがクリストファー・レイサム・ショールズによって作られたのは18…

Mobile Society Review 未来心理

同僚が紙で持っていたので、ドコモのモバイル社会研究所に問い合わせると、紙でしかも無料で配布しているとのこと。雑誌自体を知ったのは2年ほど前で、興味のある論文はWebサイトエラーからダウンロードしていたが、この際に紙で定期送付をお願いした。手に…

「猫の災難」

先月のことになるが、第540回の三越落語会に行ってきた。この日は「とっておき二人会」なるタイトルで、柳家小三治と桂歌丸が共演するというきわめて希少な場であった。プログラムにも「千載一遇の場に身を置くに等しい」「あと二十年もしてごらんなさい…

本屋(実店舗)をうろついての雑感

久しぶりに都心。新装なった丸善日本橋店をうろついての雑感。 ミシュラン東京が即日売切れになっていたことについて 確かに話題性はあるけれど、即日売り切れになるということから、われわれのランキング依存症を感じる。結局情報過多になると、目いっぱい…

深夜特急

11月ということで、今年もあとわずか。しかし今年は黄金週間は家の片付け、夏休みは引越し後の片付けにそれぞれ明け暮れたため、ほとんど東京を離れていない。おそらく3月の息子とのブルートレインの旅だけだろう。I'm so hungry for a trip. 厳密に言うと、…

恋するフェルメール

恋するフェルメール―36作品への旅作者: 有吉玉青出版社/メーカー: 白水社発売日: 2007/07メディア: 単行本 クリック: 21回この商品を含むブログ (28件) を見るあとがきで、「絵は記憶できない」、「絵自体は覚えていなくても、それを見たときのことは覚えて…

『ウェブ社会をどう生きるか』と『ウェブ進化論』

2年生の夏休み課題図書の1つ、『ウェブ社会をどう生きるか』についてゼミで議論。ウェブ社会をどう生きるか (岩波新書)作者: 西垣通出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/05/22メディア: 新書購入: 6人 クリック: 39回この商品を含むブログ (85件) を見…

ノルゲ

ノルゲ Norge作者: 佐伯一麦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/06/29メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 4回この商品を含むブログ (38件) を見る妻の1年間のノルウェー留学に同行した際の滞在記。「おれ」という一人称で書かれた文体にはじめ少々戸惑…

Cnet Innovation Conference

「CNET Japan Innovation Conference 2006 Autumn」 - CNET Japanへ参加。最近、情報へのアクセス分散化≒Long Tailについてずっと考えているのだが、このコンファレンスに参加しての違和感は、以下のとおり。最初のGoogleとSalesforceの2セッションは別とし…

仮想経験のデザイン

仮想経験のデザイン―インターネット・マーケティングの新地平作者: 石井淳蔵,水越康介出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2006/07/01メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (9件) を見る評価の難しい本である。大胆な、ただしよくあるとも言える…

阿部謹也先生逝く

大学時代に印象に残った講義の一つが、阿部謹也先生の西洋社会史(だったと思う)。西洋中世の罪と罰―亡霊の社会史 (叢書 死の文化)作者: 阿部謹也出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 1989/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件…

複雑さを生きる

休暇で読んだ本の1冊。安冨歩さんは面白い研究者だとかねがね思っていたので、読みやすそうなものを手にとってみた。複雑さを生きる―やわらかな制御 (フォーラム共通知をひらく)作者: 安冨歩出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/02/22メディア: 単行本購…

フラット化する世界

フラット化する世界(上)作者: トーマス・フリードマン,伏見威蕃出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2006/05/25メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 119回この商品を含むブログ (291件) を見るはっきり言ってあまりお勧めできない本だ。お勧めするとし…

ウェブ進化論

この本は今となっては希少な初刷りを発売当日に購入し,すぐに読んでしまっていた.後で書くようにこの本に対する僕の見方はかなり特異である.それは著者を中途半端に知っている.それも9.11以前の彼だけを知っているという理由によるところが大きい.加え…

東京経済大学 情報産業論ゲスト講義

東京経済大学の情報産業論(コミュニケーション学部)にて「ビジネスとしてのユーザー発信型サイト」というタイトルで講義を行いました.以下に授業で紹介した参考文献をアップしておきます. きずなをつなぐメディア―ネット時代の社会関係資本作者: 宮田加…

年末にかけてゆっくり読む本

最近はほとんど読書をしていない.どっかでそういう理論があったよね,というので検索し参照するという作業は多いが.で,年末にかけてゆっくり読む本を2冊購入.スティーブ・ジョブズ-偶像復活作者: ジェフリー・S・ヤング,ウィリアム・L・サイモン,井口耕…

僕が六本木に会社をつくるまで

僕が六本木に会社をつくるまで作者: 田中良和出版社/メーカー: KKベストセラーズ発売日: 2005/10/22メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 254回この商品を含むブログ (51件) を見る田中良和さんと77年生まれの世代感覚に興味があって読んでみた.もちろん,…

旭屋渋谷店も閉店

渋谷大盛堂閉店 - sameoの生活断片に書いたとおり,大盛堂が閉店したのが6月末のこと.今度は旭屋渋谷店が8月23日に閉店していた.渋谷の旭屋はメディア論,思想系の本の品揃えが比較的良く,岩波やみすずのコーナーもあり,ブックファーストに行くとき…

休暇に持っていく本

この週末から1週間休暇をとる。とにかくゆっくりと、余計なことを考えずに五感で感じるままに過ごしてくるつもりだ。持っていく本は以下の2冊のみ。実務の現場に対するフィールドワークをやっていたころの五月の連休はフィクションを持っていったが、抽象…

渋谷大盛堂閉店

昨日、大盛堂に行ったら6月末で閉店になっていた。高校のころから、「少し難しい本」といえば大盛堂だった。「本のデパート」というウリ文句も阪急ブックファーストの登場で色あせたが、専門書を物色する時は依然として大盛堂だった。非常に寂しい。仕方が…

インターフェースの設計

先日某大学の先生とブレストした。今日、やっと録音を聞きながら、メモを作ったり思考をめぐらしたのだが、自分の論文は「インターフェース設計論」のような気がしてきた。何のことはないが、お金の流れを作るために消費者が発信した情報に対してどうインタ…