『ウェブ社会をどう生きるか』と『ウェブ進化論』

2年生の夏休み課題図書の1つ、『ウェブ社会をどう生きるか』についてゼミで議論。

ウェブ社会をどう生きるか (岩波新書)

ウェブ社会をどう生きるか (岩波新書)


  • 情報とは関係概念である
  • 情報には生命情報と社会情報と機械情報がある
  • 機械情報からは意味や解釈が抜け落ちがちだが、グーグルの検索結果は機械情報で返される
  • 集合知も万能ではない(むしろダメなケースが多い)


というあたりに、素直に納得してしまう学生たちだが、これらはいずれも重要なポイントである。


集合知については、タイムリーにこんな話題もあり、そこそこ盛り上がる。
http://ceonews.jp/archives/2007/10/newsing_10.html
http://www.downloaders.cn/2007/10/01061747.html


集合知は運営方法のノウハウがきわめて重要で、オープンソースも万能ではないということはこれにも書いてある(ちょっと説明がまわりくどいけれど)。

オープンソースの成功―政治学者が分析するコミュニティの可能性

オープンソースの成功―政治学者が分析するコミュニティの可能性


ウェブ進化論』を読んでいた学生にとって『ウェブ社会をどう生きるか』は強烈なコントラストを放ったようで、やや混乱気味だったので、梅田望夫さんがシャノン流の情報の定義やその限界について知らないはずはないということを言った上で、経営コンサルタントと科学者の職業としての違いだけを話した。ちなみに私の『ウェブ進化論』の感想文はこれ


素直な学生たちは、かなりウェブ社会を悲観するようになってしまったが、あとは自分たちで考えてくれ。というか、よくなるにはどうしたらよいかを考え続けてくれ、そして行動してくれというのが私の希望だ。


そんなやや暗い雰囲気のなかで「梅田さんが若い人としか付き合わないということに対して怒っている西垣さんは相当なおじいさんなんですか?」というボケた質問は場をなごませてくれたぞ。