カンバセーショナル・マーケティング(ゲスト講師)

ゲスト講師の3番バッターはアジャイルメディア・ネットワークの社長である徳力基彦さんです。緑の多いキャンパスに「やはり田舎育ちの自分にはこうでないと」と喜んでいただき、講演はスタート(余談ですが、徳力さんの事務所は私の前所属会社と同じ渋谷のビルに入っていまして、お世辞にも周りに緑が多いとは言えません)。


私の授業は「ウェブ・マーケティング」と銘打っていますが、今年は検索エンジン中心の内容になっていることもあり、ウェブ内の合わせ技、マスや車内広告あるいは屋外看板との合わせ技の事例には学生も喜んでいたようです。広告というか比較的目立つキャンペーンに興味を持つ学生が多い中で、私が「検索エンジンマーケティングというのはキーワードの管理など地味な仕事」だとか「リッチメディアのクリエーティブな仕事に携われる人は率としては少ない」という話をずいぶんとしたからなぁ。


ま、そういう派手めの話は、多大なる経験を持つ同僚の関沢英彦さんの講義で聴いてください。ウェブ・マーケティング検索エンジンマーケティングだとは思ってほしくないにしても、少しは役割分担しないとね。


さて、学生に書いてもらった感想を読んでの雑感を書いておきましょう。


よく知らない世界を知るという意味での感想として挙がったのは、

  • Pay Per Postってやっぱりあるわけね
  • ウェブ・マーケティングだけでは必ずしも完結するわけでなく、やはり既存メディアとの組合せも重要という話が印象的

というところでしょうか。

やや高度なところでは、

  • ウェブ・マーケティングは中小企業に対して大きな可能性を開くものであるが、製品によって販売の山の作り方が違うため万能薬ではないことがよくわかった(大量在庫を抱えて一気に売るタイプの商品にはどちらかといえばなじむものではないということ)

というところ。


面白かったのは、以下のような反応。

  • マーケティングのことはよく知らないので、細かな事例の話にはなるほどと思うことが多々あったが、徳力さんの言っていることは当然のことのようにも感じた。これを理解できない大人がいるの?


いるんです。


だから徳力さんも苦労しているのですよ。しかしだからこそ、若人にはまだまだ企業の中で活躍余地があるとも言えます。ただし頭では理解できても、従来の仕組みを変えるのには多大な労力を要するため、理解できても放っておくという大人の方が多いということが物事が変わらない理由だったりします。自戒を込めて書いておこう。