学生に論文を書かせると
学生に論文を書かせるとどういうことが起きるか、および伝達すべきことについての備忘メモ
草稿段階
- 草稿で日本語がかなりひどい人がいる。この手の輩の面倒をどこまで見るかで作業量が大きく変わる。
- 構造化、つまり章と節の階層構造を整理できずに、書きなぐっているパターンが多い。
- 果たして彼らは紙に出力して読み返しているのか?紙に出力しないにしても読み返しているのか?自分は紙でないと推敲が絶対にできないがどうなんだ?
- 草稿でありがちなのは、冒頭の問題意識、問い、で書かれていることと結論が一致していないパターン。ただしこれは自分でも草稿段階ではあることなのでオッケー。
- 本文とは別に、1枚に収まり、一覧性のある目次を傍らに置きながら作業をする癖を付けてほしい。これで、「1章は何を書くんだっけ、それで2章では何を書いて、だから結論にはこう繋がる」などとつぶやきつつ作業をすると、前項で書いた整合性のずれの程度が小さくて済む
- あることを論じるにあたり、そのことの歴史や現状について調べようという意識が薄い。卒論の2万字になるとこれをやらないと字数が超えないから、もっと調べて分量を増やす意識も持って欲しい。来年から4年生はここまでを夏休み明けの提出としよう。
- どちからというと少数派だが、本論と関係ないトリビアが分量を増やすために多用されるケースがある。
1度朱入れして次に戻ってきた原稿
- 良く書いてみると、結論で言うことを傍証するようなデータが不足していることに気づき、結論が急に弱気になる。
- 頑張ってアンケートなりインタビューなりしてしまった学生は、情報過多となり、情報に翻弄される。下記のようにストーリーを意識していないから調査結果から情報の取捨選択ができない。
- つなぎの言葉を書いている人がほとんどいない。つまり、ストーリーがない。各節が淡白に書かれているだけで、どこかのコンサル会社のアウトプットのようだ。
- 「1章では××ということがわかった。よって2章では、●●をするために△△について論じる」というようなつなぎのことば。これをすることで、読者が読みやすくなることはもちろんだが、自分にとっての整理にもなる。この部分だけ読み飛ばしていけば、論文を俯瞰できるのに。
- 各章、全体のタイトルが中味を表していない。また冴えない。
- 調査方法の説明の仕方がわかっていない。これは要指導。
とりあえずこんなところか。