Googleの決算書18 - 観察・実験ノート

前回から1年空いた12月期の決算。
http://investor.google.com/releases/2009Q4_google_earnings.html

売上

12月31日締めの四半期における売上は66億7400万ドルで、前年同期の57億100万ドルから17%の増加。
過去1年の四半期の増収率は、-3%、0%、8%、12%と推移しているので、後半の盛り返しがわかる。
ただし第4四半期に毎年伸びる増収率は過去22%、19%、14%、3%。2009年は何とか12%だったけど、もうさすがに年率での2桁成長は難しくなってきた。広告頼みでは。
結局2009年の売上は236億5000万ドルで対前年8.5%増。

営業利益

当四半期の売上高66億7400万ドルに対して、営業利益は24億8100万ドル。営業利益率は37.2%。
昨年の32.6%より大幅に改善し、ここ5年で最高の数字。

純利益

当四半期の純利益は19億7400万ドルで、前年同期の3億8200万ドルの5倍以上。ただし前年は特殊要因による数字。
だが、こちらも営業利益同様、その率は29.6%であり、3年半前に一度32%という数字をたたき出して以来のほぼ30%。

売上の内訳

売上高の66%に相当する44.2億ドルがGoogle-ownedサイトからのもの。
Google-ownedサイトの売上高比率は、ここ1年で67%、66%、67%、66%と推移。かつての58%というあたりから一貫して上昇してきた数字はここ2年は停滞。PVの多いサイトの買収が一段落したからだと思われる。
パートナーサイトからのアドセンスによる売上は，全体の31%に相当する20.4億ドル。ここ1年の売上高比率は30%、31%、30%、31%とこちらも安定。
このパートナーサイトの売上のうちパートナーに17.2億ドル支払う。売上の84%に相当。
この比率は1年前には90%に近い数字で、それまでは一貫して上昇してきた数字。これが2009年は88%、86%、87%、84%と推移。「スマートプライシング」の成果が出ているのかも。
なお、Paid Clickはこの4四半期で、3%、2%、4%、9%と増えている。
また第2四半期から記述されはじめたCost Per Clickは、その後、5%up、5%up、2%upとなっている。

海外比率

US以外の売上が第4四半期では53%。ここ1年では、52%、53%、53%、53%という動き。長期のトレンドでは上昇している。ただし今年に関しては中国問題あり。

社員数

19,835名で20,222名であった1年前より、2%ほど減少。

今年はMobile Ad, Display Adという広告以外の、Nexus One, Android Market,がどれぐらいの売上寄与をしてくるのであろうか。結局2009年も広告というカテゴリーでは97%であったわけだが、これが93%とかになるとインパクトあるよな。あとシュミットも買収を明言していたが、どんな買い物をするのだろうか。まあPVの多いサイトが出てくればそれを買うのは王道なんだが、それだけだと芸がない。Webアプリの要素技術を持つような小さい買い物とは違う種類のものが出てきて驚かせてくれるのだろうか。