課金ビジネスの時代

「これからは(ネットも)課金ビジネスの時代」という小林さんのエントリーを読んだが、「課金ビジネスが今後開発されてくるでしょう」という読みは確かにそうだと思う。彼がその実現可能性をどう見ているかは定かではないが、私は課金ビジネスを開発できない企業も多く、淘汰されるサービスがこれから3年ほどかけて多数出てくると考えている。そもそも本当にお金を払う必要のあるサービスというものは限られているだろうし、今の世知辛さからその基準は厳しくなると考えられるからだ。カフェスタはそのはしりと言える。


ソーシャルメディアと今では呼ばれるサービスを運営している企業20社ほどに、2005年にインタビューした。そのときの全体的な印象として残ったのは、「諸コストが下がって、広告モデルで回るようになったという安心感で、しばらくは皆さんビジネスモデル開発は一休みという感じだな」というものだった。インタビューした企業はそれなりのユーザー数を持ったところが多かったので、そのように感じたという事情もあろう。


たとえば今をときめくグリーの田中社長からも当時そのような印象を受けたが、それは彼が「1ページを制作するコストよりも、1ページが売り上げる金額の方が大きいので、とにかくページを沢山作ればよい」と言っていたからである。この印象が強すぎたので、上場すると聞いて驚いたが、今ではそれなりにしっかりしたユーザー課金のモデルを持っているわけだ(10年も安定的収益をもたらす盤石なものとは言えないにしても)。


しばしの休息の後、また額に汗してビジネスモデルを開発する時代がやってくる。そして、それはしっかりした課金モデルをfromCにしろfromBにしろ持っていないところには投資してはいけない時代の到来も意味する。


追伸:オチを情報社会論的な方に持って行ってしまいましたが、インタビューの結果はこちら(組織科学)に論文として掲載されています。