Googleの決算書 - 観察・実験ノート

Googleの四半期決算をざっと見るのも１４回目．3月31日締めの数字だが、3月11日からは買収したダブルクリックの分も含まれているという。なるほど。完了したわけね。でも貢献分は「ささやかな」ものらしい。
http://investor.google.com/releases/2008Q1.html

まずは売上

3月31日締めの四半期における売上は51億8600万ドルで、前年同期の36億6400万ドルから42%の増加。前四半期の48億2700万ドルからは7%の増加。
四半期毎の増収率は10%，14%，22%，17%、9%、10%、19%、14%、6%、9%、14%、7%と推移。

次に営業利益

この３ヶ月で売上高51億8600万ドルに対して、営業利益は15億4600万ドル。営業利益率は29.8%。
営業利益率は35.2%→33.5%→29.7%→33.0%→33.2%→34.6%→33.1%→33.3%→28.5%→31.2%→29.9%→29.8%と推移している。

そして純利益

当四半期の純利益は13億700万ドルで、前年同期の10億200万ドルから30%の増加。前四半期の12億600万ドルからは8%の増加。
当四半期の最終利益率は25.2%。その推移は、26.3%→29.4%→27.3%→32.2%→27.3%→23.9%→18.6%→25.3%→25.0%→25.2%となっている。

売上の内訳

売上高の66%に相当する34.0億がGoogle-ownedサイトからのもの．四半期ごとの売上伸び率は12%，20%，24%，18%、10%、14%、19%、15%、9%、10%、14%、9%と来ている．
Google-ownedサイトの売上高比率は58%→58%→60%→62%→62%→64%→65%→65%→66%と推移。
パートナーサイトの売上は，全体の33%に相当する16.9億ドル。四半期ごとの売上伸び率は8%，7%，18%，16%、7%、4%、16%、13%、0%、7%、13%、3%と来ている．
このパートナーサイトの売上のうちパートナーに14億9000万ドル支払う。これは前四半期の14億4000万ドルから3%の伸び。売上の88%に相当。
この比率は78%→79%→79%→78%→79%→79%→81%→84%→84→84%→85%→88%。明らかにパートナーサイトに支払う比率が2年前に比べると上がっている。この点は興味深い。

海外比率

US以外の売上が51%で、42%→42%→44%→44%→47%→48%→48%→48%→51%と推移。
ついに半分を超えたと。これは目にした日経新聞の記事でも強調されていたところ。

資産

資産の部を見ると、この3月31日は276.05億ドルとなった。1年前の3月31日は253.36億ドル。1年前の3月31日は200.15億ドル。6月30日は214.24億ドル。9月30日は233.41億ドル。12月31日は253.36億ドル。
この増加率推移は、8.7%→10.0%→27.5%→9.0%→17.5%→8.5%→7.0%→8.9%→8.5%→9.0%。売上成長の7%を若干上回っている。

今回はペイドクリックの数が減ったということが事前に話題になっていたけど、決算はそれほど悪いものではなかった。というのもグーグル第1四半期決算、アナリスト予想を上回り増収増益 - CNET Japanにあるように、ペイドクリック数の減少はアメリカ国内の話（ComScoreのデータ）で、世界全体（Googleのデータ）では前四半期に比べて20%増加しているらしい。

ただし20%クリック数が増加していても、売上は7%しか増えていない。パートナーサイトの売上増加は3%にしか過ぎない。つまりキーワード単価は全世界でならしてみるとむしろ低下していると考えるのが妥当だろう。

これは海外比率の中にマーケットの小さい言語圏が増えているからだろうか。それとも英語圏のキーワード単価も下がっているのだろうか。英語圏の売上がアメリカの49%のほとんどを占めて、他の英語圏の国の売り上げを合わせると、まあ7割ぐらいはありそうだから、英語圏でもキーワード単価は下がっているのではないか。細かいことは追っていないから、暴論なのかもしれないけど。

あと、面白くないのは、依然として自社サイトの売上比率が上がり続けている点だ。全体として、PVをたたき出してくれるサイトを所有するという戦略がまだ続いている感じ。収益性も自社サイトの方が高いわけだから、これは当然なんですが、本当にこの会社がすごいと私が思うとしたら、全然違う新事業を作った時か、パートナーサイトからの売上増加額が自社サイトのそれを上回った時ですね。