2007年度 2年ゼミレポート

2年生のゼミレポートだが、タイトルは以下のとおり。知らないこともずいぶんあったのでメモ。

  • インターネットの思想 4冊の書籍から
  • ケータイ小説における読者と作者の関係
  • フリーペーパーの成長要因
  • ニコニコ動画の公式コンテンツの分析


ケータイ小説については知らないことが多い。レポートの筆者NKによれば、ケータイ小説の生みの親とされるのは、2000年に「Deep Love アユの物語」を出したYoshiだが、彼が作品を書くために使っていたのはパソコンであり、ケータイを使って作品を書き、それをアップロードしはじめたのは2002年のchaco(「天使がくれたもの」の作者)らしい。私の感覚だと狭い画面のケータイで書くことが、よく言われるケータイ小説の特徴を形作っていると思うのだが、実はそうではないのかしら。紙じゃないと推敲できない私には想像がつかない世界があるのかも知れないし、推敲という概念がないのかもしれない。


筆者NKは作者と読者の関係に注目しているわけだが、NKが読んでいるケータイ小説では作者から「作品のレビューと感想をよければお願いします」というメールが届くそうである。他にもさきほどのchacoや内藤みかの事例で作者と読者の関係が紹介されているのだが、これを読んで拙著シェアウェアを思い出した。その結論は「シェアウェアという機能財は製品ではなく、暫定的に結晶化されたプロセスであり、それにヘビーユーザーが対価を払っている」というものだが、ケータイ小説もそうなのかもしれない。

シェアウェア―もうひとつの経済システム

シェアウェア―もうひとつの経済システム


ニコ動については、3年生のゼミ論文でそれなりに知識を得たが、KKが注目したのは公式コンテンツのavexと吉本である。KKによるとavexはやり方が下手なのか、おっかなびっくりなのかわからないが、PVが一律2分30秒で途切れ、またアーティストとしてもまだ有名でない人を使っているらしい。吉本もさほど有名ではない芸人のコンテンツを使っているところは一緒だが、コメントを誘発しやすいようなコンテンツを使っている点では工夫が感じられるそうだ(たとえば「笑ったら負け」シリーズなど)。


おかしかったのは、「ニコ動との公式提携ということではMTVのアニメでしょ」と私が教えてあげたものの、実はMTVの公式コンテンツは1月現在ないのだそうだ。皮肉なことに、11月のアニメ動画の再生数ランキングで1位になったのは、MTVの持つアニメ「ウサビッチ」の一ユーザーが非公式でアップロードしたものであったらしい。


ニコ動というのは動画そのものではなく字幕(コメント)つきコンテンツを扱っているので、より難易度が増すわけだが、公式に関しての設計は難しいという点については明らかになり面白いレポートだった。