日米ブログと情報の信頼性

先週末に同僚の川浦康至さんがやっている研究会に参加。発表者は歌田明弘さん。気になった点についてメモ。


Herringらによると、英語のblogでも70.4%は個人の日々の記録であり、外部のできごとに焦点を当てている「フィルター・ブログ」は12.6%だそうだ。足し算すると100にならないが、他は複数目的のブログが9.5%、特定の話題のついてのKM目的の原則複数が書いているブログ(これをK-logと言うらしい)が3.0%で、残りがその他である。エントリー単位ではなくて、ブログ単位でコンテンツ分析をしての結果。サンプリングはblo.gsからのランダムサンプリングによる203。


もう1つはブログコンテンツの信頼性に関して。Wikipediaの創設にかかわったラリー・サンガーがやり始めたシティズンディウムであったり、http://beta.newstrust.net/の話。前者は実名で書くことと専門家による原稿チェックが必要。後者はそのサイトのメンバーによる記事内容のレビューがある。「We rate the news based on quality, not just popularity.」というところがミソだ。


面白かったのは、編集者出身の歌田さんの「ウェブでも情報の信頼性が必要」とういスタンスと某参加者の「ウェブの情報に信頼性なんてなくてよいではないか」という立場の噛みあわなさ。両者は「信頼性のある情報とそうでない情報が混じっているのがウェブの自然な姿で、中には情報の信頼性を担保しようと思う人たちやサイトがあってもよい」というところで折り合えると思うのだが、どうもこの手の話題は議論すること自体が難しい。


あとは、仮に両方の立場が許されるとしても問題になるのはサイトが継続的に存在できる可能性だ。つまりビジネスモデル。現時点では、qualityではなくて、popularityがどちらかといえばウェブのビジネスでは基本になっている。結局のところ「雑誌」だったということになるとちょっとつまらないが、まだ新しいコンセプトは出てくるだろう。