CPC(Cost Per Click)の時代へ

ここ3週間ほど、ネットサービスを手がける経営者数名に会って、かなり驚いた話は、バナー広告の効果というものがCPCで見られるようになってきたという話。業界としてCPC●●円(金額は伏せます)というところに向かっているという話も聞いた。


ずっとCGMサイトを観察してきて、2年前に20社強インタビューしたときは、コストが下がって700万〜1000万PVがあれば確実に黒字化できるという感触をつかんだが、この●●円がターゲットになっているとすると、2000万PVはないとダメになる時代が早晩来る気がする。専門サイトでないとしたら、3000万PVとかね。これはバナー系の広告で、アフィリエイトコンテンツマッチなどの自動広告ではないから、商品設計や営業にもかなりの固定費がかかるわけで、単価の値下がりは影響大である。一方の自動広告もかなり上手くやらないと、月に500万円というところには届かないから、これから中途半端なPVしかないところはどんどん辛くなる。


聞けば、このCPCの値下がりの流れを作ったのはミクシィだというのが関係者の一致した見方のようだ。月に数十億もPVがあったため、彼らは上場前にかなり安値で広告を売り、その安いPV単価とクリック単価が業界の常識になったそうだ。まあ、価格破壊者というのは必ずどこかのタイミングででてくるわけだし、ウェブはテレビとはちがって媒体は無尽蔵にあるわけなので、早晩そうなるとは思っていたけれど、ちょっと早かったというのが回りにいる人たちの意見のようだ。


一時期はバナー広告のブランディング効果ということも言われていたが、いまはリッチメディアであっても、基本的にいくらキャンペーンサイトなどに誘導できたかが勝負だそうだ。CTRなんてのはリッチメディアでも0.5%を超えてくることはほとんどなくて、CTRを0.15%と仮にすると、200万回の露出があってもクリックは3000回にしかならない。それだと絶対数が少ないから、そのサイトへは広告は出しませんというのが広告を出す側の思考回路だそうだ。