Web2.0と企業情報システムと組織観(組織の境界)
CGMばかりやってきた自分にとって、「何だよ、みんなエンタープライズの(効率化の)ことばかり話しているじゃん」という会社の環境が新鮮だったので、「じゃあ」とばかりに流行の「Web2.0と企業システムの関係」的な記事や論考を3つ、4つ読んでみた。
- 社員や顧客を参加させた動的な仕組み
- インターネット越しのサーバー間通信であり、基本は変わらない
- 開発者にはサービス開発者的素養も必要
- ユーザーから見ると開発費が安くなります
- アプリケーションやデータの提供者は課金のモデルが難しい
というようなことが書かれている。
社員や顧客を参加させるということで、基本的に基幹系よりも情報系の方が話題の中心になっているが、情報システムが組織の話から離床した形で語られているという印象。Web2.0時代には(戦略系)情報システムがこうなるということは、編集者に注文をつけられた筆者や記者がなんとか書いているものもある。だが、戦略系情報システムという考え方が生まれてきた、組織論や経営情報システムというところにまでたち帰った議論はない。つまりWeb2.0時代の組織ということについてはほとんど語られていない。こっちの方が大きなテーマでずっと面白いし、本来ならそこから考えないといけないはず。ま、ソースがIT系雑誌やブログだから仕方ないのだけれど。ここはトップマネジメント・コンサルファームの次の草刈場になるような気がする。
ちなみに「ネットワーク組織論」では「動的不確実性に対応する組織」とすでに言っているが、ちょいと概念的過ぎる。
- 作者: 今井賢一,金子郁容
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「フューチャー・オブ・ワーク」では、組織が市場化してeランスというような話も出てくる。
フューチャー・オブ・ワーク (Harvard business school press)
- 作者: トマス・W.マローン,高橋則明
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- 発売日: 2004/09/28
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まあ、時間はかかる話なので、焦る話ではない。