アーキテクチャ

来月に公刊される拙論で、オンライン・コミュニティとアーキテクチャのことを書いた。アーキテクチャとはローレンス・レッシグがコード

CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー

CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー

で展開した概念で、自分の文章では、「簡単には、情報技術による物理的な規制方法」と書いた。


けれども、今日、もうしばらくしたら引越す新居に朝から晩までいて、「情報技術による」ってのは文脈上そう書いたが、その概念を矮小化させてしまうなと反省した。椅子を1脚だけ持ち込んで、まだ家電も何もない部屋で1日を過ごすとなると、まさにアーキテクチャによって自分の居場所は制約を受ける。日の光の向きや強さ、風の向きや強さ、そして外部からの視線が主たるものだが、それらの多くは窓の位置というアークテクチャによって規定されている。


かつて建築家の吉村順三は「仲のいい夫婦がいてもそのふたりを離婚させるような家をデザインすることもできる」と述べたが、アークテクチャとはそもそもそういう強いものなのだ。