マーケティング進化論

復職して2週間が経過.復帰初日に始まるという仕事が存在したため,初日からクライアントに行き,そこそこ忙しい日々が始まった.この仕事は1次情報に触れる機会が多いのだが,業務の性格上おいそれとBlogに上げることはできない.


そして2週間目の最後を締めくくるイベントが慶應義塾の社会人教育機関,丸の内シティキャンパスでの講演であった.マーケティング進化論という講座にて「マーケティングを変えるユーザ発信型サイト」というお題にてしゃべる.1時間しゃべって,1時間質疑応答(1/3はコーディネータから,残りの2/3は会場から)だったので,金曜夜の体にはこたえた.


質問はなかなか的を得たものも多く,自分もためになるものが多かった.会場のアンケート結果をざっと見せてもらったが,「よかった」というものと「だめだった」というものが,通例どおり(事務局談)半々ぐらいであった.「だめ」の理由は比較的同じ傾向で「で,どうすればマーケティングがうまくできるのかわからなかった」というものである.


たしかに僕はコンサルタントではあるし,「こうすればうまくいきます」という処方箋を期待して会場に来る人の気持ちはわかる.でも肩書きには博士課程の学生とも書いてあったし,通常は「事例紹介」という部分が「講演」となっていた.結局のところわからないものはわからないのだということを科学者風情で強調してしまったせいもあるが,真実はそういうことなのでしかたない.ユーザー発信型サイトやCGMとの付き合い方は自らやってみて成功と失敗を繰り返していくしかないのである.


ただ,僕にいえることは,嘘をついたり,必要以上にコントロールしようと思ったら,そんなに芳しい結果は得られないということしかない.


幸いにして,すでに自分で何らかの試みを行っている人は数多くの経験をしているので,「常日頃の悩みについて,解決の糸口になりそうな話が随所にあり面白かった」という感想を述べてくれる.こういう人がいてくれるとしゃべった甲斐があったとほっとする.